日本はどうしてリサイクル率が低いのか

日本ではゴミは何でも燃やす慣習がある

日本は、ごみの分別に関しては世界と比較しても徹底していることで知られています。
燃えるゴミと燃えないゴミだけでなく、プラスチックや缶、ビン、新聞紙などを細かく分別しなければ回収してもらえない地域はたくさんあります。
しかしゴミの分別はこれほどまでに徹底しているにもかかわらず、リサイクル率となると日本は他の先進国の中ではとても低く、わずか19.9%程度となっています。

その理由は、日本はゴミを焼却する慣習が根強く残っているからだと考えられます。
一般家庭から出されるゴミは、その約80%は焼却処分されています。

プラスチックも焼却処分、その理由とは?

日本の焼却施設では、多種多様なゴミを一緒に燃やしています。
水を多く含む生ごみも他のゴミと一緒に焼却するため、どうしても焼却炉の温度は下がりやすくなってしまいます。
そうなると、焼却炉の温度を上げてくれるゴミが必要となり、プラスチックがその役割を担っています。

プラスチックは、焼却される際には高温で燃えるという性質があります。
焼却炉の中でこのプラスチックが溶けると、油のプラスチックを燃やすこととなり、焼却炉の温度を上げる効果が期待できるのです。
日本が焼却大国と呼ばれるのは、そうした理由があります。

ちなみに、リサイクル率が高い国では、生ごみをゴミとして扱わずにコンポスト処理を行って肥料や堆肥として資源化する試みが多く行われています。
この方法を使うことによって、一般家庭から出される廃棄物の約半分近くは焼却せずに資源として地球環境へ戻せます。

リサイクル率を高めるにはどんな取り組みが必要?

日本でも、リサイクル率を高めるための対策として、このコンポスト処理法はすでに多くの自治体が導入しています。
例えば長野県にある自治体では、生ごみは各家庭の畑でコンポストにするためのノウハウを指導していたり、家庭用コンポストの普及に努めるなど、自治体が総力を挙げて取り組んでいます。

海外の対策を参考にする方法も良いでしょう。
例えばアメリカのカリフォルニア州では、生ごみ草木は同じカテゴリーとして回収し、コンポスト処理を行っています。
その他には、資源物、そのほかというざっくりとしたカテゴリーに分類することによってリサイクル率を高めています。

ごみを分別することは、地球環境を守る上では大切なことです。
しかし分別したゴミを最終的に一緒に焼却するのでは、残念ながら地球資源にとってはプラスとはなりづらいでしょう。
燃やさずに済むものは燃やさない処理法を進めると同時に、リサイクルできるものは積極的にリサイクルすることによって、日本のリサイクル率も少しずつアップするのではないでしょうか。