天然由来成分は安全?

ハーブとすりばちの画像

環境問題を考えるようになると、自分が普段口にするもの、手にするものにもこだわるようになります。

そこでよく手に取るのが「天然由来」「自然素材」のものですが、口に入れるとなると注意しなければならないポイントがあります。

アレルギーに注意する

薬であれば、医者からアレルギーがあったかどうか聞かれ、アレルギー反応を起こさないような薬を処方してもらえます。ですが、健康食品や化粧品は、自己判断で使うものです。天然由来成分であっても、アレルギーの原因になります。

薬や他の健康食品・化粧品によっては、重いアレルギー反応が出てしまうかもしれません。実際、健康食品によるアレルギー被害はいくつかあり、ローヤルゼリー、ウコン、ザクロ、スピルリナなど、身体によさそうな成分が入っている健康食品であっても、アレルギー反応が出たという報告があるそうです。

天然由来成分は「何が入っているか分からない」

妊婦さんが飲むことを勧められる葉酸サプリは、天然成分ではなく合成成分を摂るよういわれています。これは、天然由来成分には何が入っているのか把握できず、合成の方が純度の高い成分をしっかり摂取できるからです。

天然=ピュアというイメージがありますが、実際には合成成分の方がピュアだといえます。

「天然由来」のリスクも知っておこう

天然由来であっても、人体に有害な成分があります。

身の回りには、天然の毒が存在しています。天然だからといって、安心・安全とは限りません。

また、天然由来のものよりも、合成された成分の方が人体にいい影響を与えるものもあります。

自然環境に配慮する生活を心がけていると、自然を守ろうという考えが、だんだん「自然のもの=いいもの」という認識にすり替わってしまいがちです。ですが、口にするとなると一概にそうは言えません。

SDGsが「(後進国の)発展」と「持続可能な社会」という、一見矛盾したゴールを叶えようとしているように、個人も「地球環境問題の解決」と「自分の健康寿命を延ばす」という2つの目標がときに衝突することを理解して、それでも一緒に達成できないかと道を模索していくことが大切なのかな、と思います。