個人にできること④地産地消
地産地消によってもたらされるメリットとは
地元で生産された食品を地元で消費することを、地産地消といいます。
地産地消がエネルギー問題や環境問題にも深く関わっていることは知っていますか?
遠く離れた場所から食べ物を運ぶためには、たくさんのエネルギーが必要になり、消費することでCO2が発生します。
しかし、地産地消なら生産し消費するまでの距離が短いため、運搬距離が自然に短くなります。
その結果、エネルギーの消費量を減らしCO2排出量を削減、地球環境への負荷を軽減することができるのです。
また地産地消は、地域で生産された農産物を地域内で販売するため、食品を新鮮な状態で手に入れられるというメリットがあります。
輸送時間が短いため、収穫直後の食材が提供されるからです。
果物は熟した状態のものを入手でき、魚介類もその日に採れたものが手に入ることもあります。
地産地消は、季節の旬の食材を1番美味しい状態で味わえるのが魅力です。
そして地域経済の活性化にも地産地消は役立ちます。
生産者と消費者の資金が地域内で循環することで、農家や配送業者、販売店などを含めた地域内での経済活動が促進されます。
また、地域内で直接取引することにより、消費者の生の声を聞くことができます。
「あそこの柿は美味しいけど日持ちしないから干し柿をつくってほしい」「この食物はどうやって食べるのかが分からないからレシピを教えてほしい」などです。
消費者の意見を聞くことで、品質改善や消費者のニーズに応える新たな商品が生まれる可能性もあります。
新たなビジネスチャンスが生まれることで、農林漁業者の所得増加が期待されます。
そして地産地消は、生産者と消費者の距離が近くなることも特徴です。
消費者側のメリットとしては、どのような人が農作物を生産しているのかを確認でき、どのように生産しているのかを把握できることで、食に対する安全性を確保できることです。
一方、生産者は消費者の声を直接受け取ることで、モチベーションアップにつながります。
都会でもできる地産地消
地産地消は身近ではないため、一見アウェイな感じに見えるかもしれません。
しかし、実は都市部でも都市型農業を利用した野菜工場により、地産地消が盛んに行われているのを知っていますか?
都市型農業とは都市部で行われる農業のことで、高層ビルや建物内に農業施設を設け、主に水耕栽培で農産物を生産しています。
飲食店やスーパーマーケット内に設置しているところもあり、農産物は一般的には葉物野菜を生産しています。
都市型農業は都市の中で行われるため、生産物の輸送距離を短縮できることがポイントです。
CO2排出量をおさえつつ新鮮な野菜を提供でき、また都市部の空き地や屋上などを有効活用することで、都市緑化や食料の自給自足が可能となっています。