自動車リサイクル法とは?

自動車内部の画像

自動車は購入時にリサイクル料金を払っているので、廃車時にお金がかかることはありません。車の所有者がやることはほとんどなく、車のリサイクルはさまざまな人が関わって成り立っています。

自動車がリサイクルされる流れ

  1. 自動車購入時、「所有者」がリサイクル料金を前払いします。自動車を手放す際、「引取業者」へ渡します。
  2. 「引取業者」は、使用済み自動車を「フロン類回収業者」に引き渡します。
  3. 「フロン類回収業者」は、カーエアコン等に使われているフロン類を回収し、「自動車メーカー・輸入業者」へ引き渡します。残りを「解体業者」に引き渡します。
  4. 「解体業者」は、エアバッグ類を回収して「自動車メーカー・輸入業者」に引渡します。エンジン・ドアなど使えそうな部品を取り出し、残りの部品は「破砕業者」に引き渡します。
  5. 「破砕業者」は、自動車を破砕し、使えそうな金属を回収します。そのときに分類された廃棄物・シュレッダーダスト(ASR)を「自動車メーカー・輸入業者」に引き渡します。
  6. 「メーカー・輸入事業者」は、回収したフロン類・エアバッグ類・ASRなど処理の難しい素材を、適正に処理します。

自動車リサイクルシステムができた理由

2002年には、国内だけでも、年間約400万台以上の使用済みの自動車が出ていました。

車には利用価値の高い金属・部品が使われているので、リサイクルそのものは広まっていました。2002年当時も、リサイクル率は80%台と、悪くない数字でした。

しかし、車には、きちんと処理しないと環境に負荷がかかってしまうフロン類、扱いを誤ると爆発の危険があるエアバッグ類、埋立処分場を逼迫するシュレッダーダスト(ASR)などがあります。自動車から出るゴミは処理が難しいうえ、環境負荷が高いものが多く、処理に特別な工程が必要です。

鉄スクラップ価格の低下の影響もあって、廃車にお金がかかってしまうようになりました。そうしないと、リサイクルをするために必要なお金が用意できなかったのです。所有者が廃車を引き取ってもらうことにデメリットがあったため、不法投棄が増えてしまいました。

この問題に対処するため、2005年から「自動車リサイクル法」が制定されたのです。

自動車リサイクルシステムが稼働してからは使用済み自動車の適切処理が進み、2004年9月末時点で不法投棄は22,499台でしたが、2020年3月末時点では、511台まで減りました。