リサイクルできる化成繊維

ケミカルリサイクル

洋服などに使われている化学繊維のリサイクルも日々進化しています。
最近衣類のリサイクルが注目されていますが、もきちんとリサイクルされているのはご存じですか。
リサイクルは作る、使う、集める、また作るというサイクルを繰り返しているものです。
そのなかでも原料に戻すというのがケミカルリサイクルです。

ケミカルリサイクルは化学繊維で作られた衣類を集めて、原料に再生してまた化学繊維として使います。
ユニフォームや洋服の裏地などに使われているナイロンやポリエステルができる繊維です。
回収されたあとは専門の工場で元の原料に戻し、またナイロンやポリエステル繊維の原料として使われます。
同じ素材の衣料品のみを大量に集めなくてはいけないので、効率的案回収システムを作ることが重要です。

マテリアルリサイクル

化学繊維をほぐして加工をし、他の製品に使用するのがマテリアルリサイクルです。
古着などを細かく裁断して、さらに無数の針で引っかいて綿状にほぐしたものをフェルトなどに利用します。

合成繊維100%の場合には、加熱して溶かすことも可能です。
溶かしたものはプラスチックなどの成形品の原料として使われます。
ファスナーやボタンとして作り替えることもできますが、まだまだ用途が限られているので今後の開発に注目です。

サーマルリサイクル

熱源として利用するのがサーマルリサイクルです。
金属製のボタンやファスナーを取り除いて、少し熱をかけて固めると固形燃料になります。
ほかの可燃ゴミと一緒に焼却し発電などに利用することが可能です。

化学繊維が石炭の代わりにボイラーの燃料となります。
合成繊維100%であれば、熱をかけて油に戻すことで灯油の代わりにも。
セメント工場などで燃料として使われています。

洋服のリサイクルのかたち

大手のアパレルショップにもリサイクルボックスが設置されたように、最近では洋服のリサイクルが注目されています。
いらなくなった洋服はいろいろな方法で生まれ変わっています。
今までは回収しても古着として売られていることがほとんどでした。
古着としてそのまま販売したりリメイクをしたりしてトレンド感をだして再利用されることもありましたが、さらに廃棄を減らす運動がリデユースです。

リデユースとは廃棄を少なくするという意味で、繊維工場が製造工程から廃棄物をへらす運動です。
回収した古着をそのまま使うのではなく、原料に再生するケミカルサイクルやフェルトやボタンなど違うものに加工するマテリアルサイクル、燃料として利用するサーマルサイクルをして、いろいろなシーンで活用することができます。
衣類の廃棄を減らし、さまざまなシーンで再利用できるような工夫がされているのです。